そなえの手引き

公的機関が言っていることを、そのまま整理する

感震ブレーカーには4つのタイプがある。違いと選び方を公的機関の資料で確認する

2026-08-09 #感震ブレーカー #地震火災 #出火防止

大きな地震のあと、停電から電気が復旧した瞬間に、壊れた電気配線や倒れた電気製品から火が出る「通電火災」が
起きることがあります。東京都防災ホームページでは、地震による火災の約6割は電気が原因と言われている
説明されており、その対策として国や自治体が普及を進めているのが「感震ブレーカー」です。この記事では、
総務省消防庁や自治体の公開情報にもとづいて、感震ブレーカーの種類と選び方の目安を整理します。

感震ブレーカーとは何か

感震ブレーカーは、地震発生時に一定以上の揺れを感知すると、自動的に電気の供給を止める器具です。総務省
消防庁の解説によれば、揺れによって家庭内の配線や電気製品が損傷した状態のまま停電から復旧すると、
そこから出火する「通電火災」につながるおそれがあり、感震ブレーカーはその発生を防ぐための対策として
位置づけられています。国土交通省が公表した資料でも、経済産業省・総務省消防庁・国土交通省が連携して
設置促進に取り組んでいることが示されており、複数の府省庁にまたがる防災施策のひとつです。

4つのタイプと、それぞれの仕組み

消防庁の解説ページでは、感震ブレーカーを大きく4つのタイプに分けて説明しています。上越市の案内ページ
では、それぞれの仕組みと費用の目安が次のように示されています(費用は同市が案内する目安であり、
製品や工事条件によって変わります)。

タイプ仕組み電気工事費用の目安(上越市の案内より)
分電盤タイプ(内蔵型)分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、ブレーカーごと電気を遮断必要約5万〜8万円
分電盤タイプ(後付型)分電盤に外付けしたセンサーが揺れを検知して遮断。漏電ブレーカーの設置が前提条件必要約2万円
コンセントタイプコンセントに内蔵されたセンサーが、そのコンセントからの電力供給のみを遮断製品による約5千〜2万円
簡易タイプ地震でおもりが落下したりバネが作動したりして、物理的にブレーカーを落とす不要約2千〜4千円

新宿区の助成制度の案内ページでは、地域や工事内容によって分電盤タイプ(内蔵型)が9万〜16万円程度と
なる例も示されており、上記はあくまで目安の一つとして参考にしてください。**設置費用は物件の分電盤の
仕様や電気工事の内容によって幅がある**ため、正確な金額は施工業者や自治体の窓口に確認するのが確実です。

どのタイプを選ぶか — 判断のポイント

タイプ選びの分かれ目になるのは、主に次の3点です。

簡易タイプが選択肢になります。

なる製品があるため、事前に自宅の分電盤の構成を確認する必要があります。

いますが、簡易タイプはより手軽に導入できる一方、製品ごとに作動の仕組みや精度が異なります。

上越市の案内では、設置にあたっての注意点として、**生命維持に直結する医療機器を使用している世帯では、
停電時に対応できるバッテリー等を別途備える必要がある**ことが挙げられています。また、ブレーカーが
落ちたあとの停電に備えて、自動点灯する照明や懐中電灯を用意しておくことも案内されています。感震ブレーカーは
「電気を止めて火を防ぐ」器具であるため、止まった後の生活への影響もあわせて考えておく必要があります。

国や自治体の取組 — 密集市街地での普及促進と補助制度

国土交通省が公表した資料によると、感震ブレーカーの設置促進は「著しく危険な密集市街地」を抱える
地方公共団体(令和5年度末時点で15市区)を中心に進められています。経済産業省は電気設備の点検時に
概要や必要性を知らせる冊子を配布し、総務省消防庁は自治体の普及啓発活動への特別交付税措置や、
令和7年度補正予算による購入・取付支援を行っており、国土交通省も住宅市街地総合整備事業などを通じて
支援しています。政府は令和12年までに、各自治体が定めた感震ブレーカー設置の目標を、家屋の耐震化などの
「ハード対策」と一体的に達成する団体の割合を100%にすることを目指しています。

こうした国の方針を受けて、多くの自治体が独自の助成制度を設けています。たとえば新宿区では、一般世帯は
設置費用の4分の3(上限6万円)、住民税非課税世帯は5分の6(上限7万5千円)を助成する制度を案内しています
(いずれも同区の令和9年3月1日までの案内内容で、対象や上限額は自治体ごと・時期ごとに異なります)。
実際に設置を検討する場合は、**居住する市区町村の防災・危機管理担当窓口で、対象タイプや助成額、
申請期限を確認する**のが確実です。

設置したあとに気をつけたいこと

感震ブレーカーは設置して終わりではありません。消防庁の資料では、停電時の照明確保や定期的な点検といった、
使用上の留意点が製品ごとに異なることが指摘されています。また、地震のあとに電気を復旧させる際は、
上越市の案内にもあるとおり、ガス漏れの有無や電気製品の破損状況を確認してから通電することが、
通電火災を防ぐうえで基本的な手順とされています。感震ブレーカーはこの一連の対策の中の一つの手段であり、
これを設置したからといって電気関連の出火を完全に防げるわけではない点にも留意してください。

まとめ

感震ブレーカーには、分電盤タイプ(内蔵型・後付型)、コンセントタイプ、簡易タイプの4種類があり、
電気工事の要否や費用、作動の仕組みがそれぞれ異なります。自宅の分電盤の構成や、医療機器の使用有無、
賃貸か持ち家かといった条件に応じて、どのタイプが合うかは変わってきます。設置を検討する際は、
本記事で紹介した公的機関の情報に加えて、居住する自治体の防災担当窓口に助成制度の有無や対象条件を
確認することをおすすめします。

出典


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